お役立ちコラム

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輻射熱を使った暖房器具はどんな仕組み?導入前に特徴を知ろう

寒い季節になると活躍するのが暖房器具です。
暖房器具には大きく分けると2つのタイプがあります。
風が出る暖房器具と風が出ない暖房器具です。
前者を「温風式」後者を「輻射(ふくしゃ)式」と呼んでいます。
今回は、輻射式の暖房機についての仕組みや特徴を詳しく解説していきます。

輻射熱を使った暖房器具はどんな仕組み?導入前に特徴を知ろう

温風式と輻射式の違い

輻射式の暖房器具について詳しく解説する前に、温風式と輻射式の違いをみていきましょう。

空気を暖めるのが温風式

温風式の暖房器具は暖房器具に空気を取り込み、暖めた空気を温風として排出し部屋を暖める仕組みとなります。
暖かい空気は、どうしても部屋の上の方に溜まるため「頭部分は暖かいのに、足元がなかなか暖まらない」というデメリットを持っています。

また、空気を暖めると空気が乾いてしまいます。
部屋が乾燥することで乾燥肌になったり、喉を痛めたりしやすくなるのです。
しかし温風式は即効性が高いため、すぐに部屋を暖めたいという場合には効果的です。

壁や床を温める輻射式

細かい仕組みについては後程詳しく解説しますが、輻射式は赤外線によって部屋自体を温めます。
徐々に部屋全体が暖まっていくと考えるとよいでしょう。
温風を排出しないため、すぐに暖まるわけではありませんが、空気が乾燥しにくい特徴もあります。

輻射式暖房器具の仕組み

輻射式の暖房は、赤外線を効率的に利用した暖房器具です。
赤外線は熱をよく伝える性質を持つことから、熱線と呼ばれることもあります。
熱を発する物からは、すべて赤外線が発生しています。
人も熱を持っていますので、微量ながら赤外線を発しています。
このような熱を持っている物が赤外線を発生させることを「輻射」といい、輻射によって得られる熱のことを「輻射熱」といいます。

輻射式暖房機の特徴からみるメリット

床暖房やオイル式ヒーター、電気ストーブなどが一般的に輻射式暖房機と呼ばれます。
これらの暖房機の特徴とそのメリットについて解説します。

輻射熱は冷えている部分を温める

輻射熱は温度の高い方から低い方に移動するという特徴があります。
そのため、暖かい場所よりも冷えている部分を効率的に温めてくれるのです。
家の中でも冷えやすい、壁や床といったところをまず温めてくれます。
その後、温められた壁や床の熱が空気に移り、部屋全体が暖まる仕組みとなっています。
赤外線は人の身体の中にも入り込むため、身体の冷えている部分を温める効果もあります。

温風式の暖房では身体の表面がまず温まるのに対し、輻射式の暖房の場合には身体の冷えている部分から温まっていきます。
輻射式暖房では、冷えを感じる人ほど温まることになります。

一般的に、男性に比べ女性の方が冷えやすいことが多くあります。
温風式だと男性は暑すぎると感じる場合でも、女性は冷えを感じることがありますよね。
輻射式暖房機の場合は、より冷えを感じる女性の方が暖かさを感じやすくなります。

室内の気温差が少ない

先ほど輻射式暖房機は壁や床がまず温まった後に、その熱が空気に移り部屋全体を暖めることを説明しました。
このため、部屋の天井付近の温度と床付近の温度に差が生まれにくく、室内の気温差が少ない特徴を持っています。
頭部分だけが暖かく、足元が寒いといったことが起こりにくいです。

埃が舞いにくい

床面と天井付近で温度差があると、暖かい空気がより高い場所に上がろうとする上昇気流が起こります。
ですが、室内の気温差が少ないため、上昇気流の発生が少なく、床面に落ちた埃が舞い上がりにくくなります。
空気が汚れにくいといわれる理由が、ここにあります。

一度暖まると冷めにくい

温風式暖房機は消してしまうとすぐに温風が止まり、冷えを感じます。
ですが、輻射式暖房機は壁や床が温まっているため、暖房機を消しても冷めにくいのが特徴です。
オイルヒーターなどは、消しても内部のオイルが冷えない限りその効果を持続させられます。
こたつも電源を消してもしばらくの間ぽかぽかとした状態が続きますが、それと同じことです。

輻射式暖房機のデメリット

温風式暖房機にデメリットがあるように、輻射式暖房機にもデメリットはあります。
しっかり把握していきましょう。

暖まるまでに時間がかかる

輻射式暖房機の多くは、部屋全体を暖めるまでには時間がかかります。
まず冷えている部分を暖めた後、その熱を空気に移していくために時間がかかってしまうのです。

例えば、不凍液を循環させるタイプの床暖房や、暖房機内部のオイルを暖めるオイル式ヒーターなどは、まず不凍液やオイルを暖める必要があります。
一度暖まればその効果は持続しますが、そこまでに時間がかかってしまうのです。

器具によって暖房範囲が限られる

床暖房やオイルヒーターのように、部屋全体を暖められる輻射式暖房機がある一方、こたつや電気ストーブなど暖められる範囲が狭い物もあります。
こたつはこたつ布団の中のみですし、電気ストーブはストーブの近くだけが暖まります。
用途に合わせた器具選びが必要です。

まとめ

冷えを感じやすい部屋を暖める暖房器具は、その特徴を把握し設置することが必要です。
また、その部屋に常に人がいるのかなどを想像することも重要でしょう。
暖房器具だけを考えるのではなく、暖めた空気が逃げにくい断熱性を持つ部屋であることも必要です。

暖房器具を変えてもなかなか部屋が暖まらない、暖房が効きにくいと感じる場合には、暖房器具の交換ではなくリフォームで改善できることがあります。
暖房器具の交換を考えるときには、リフォームで改善できる可能性がないかプロに相談してみることもおすすめですよ。

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