家の傾きの調べ方は?簡単に実践できる方法と原因を紹介
家はさまざまな理由で傾きます。
傾きが酷くなると自然にふすまが開く、ドアが閉まりにくくなるなどの不具合が出る可能性があります。
また、健康状態に影響が出る場合もあるでしょう。
家の傾きを正確に測定するには、専門家への依頼が必要です。
しかし、簡易的なものであれば自分でも行えます。
今回は、家の傾きの調べ方や家が傾く原因を紹介します。
目次
自分でできる家の傾きの調べ方
家の傾きを正確に調べるには、専門の業者に依頼する必要があります。
しかし、家に不具合が出る程度まで傾いているかどうか調べるのは、個人でも可能です。
ここでは、家が傾いているかどうかを調べる方法を紹介します。
ビー玉を床に置いてみる
ビー玉を床に置いて転がして傾きを測るやり方は、家の傾きを調べる方法としては最もポピュラーです。
テレビなどで見たことがある方も多いでしょう。
ただし、ビー玉が転がるからといって家が傾いているとは限りません。
ビー玉はちょっとした刺激で転がってしまう場合もあります。
家が傾いている可能性があるビー玉の転がり方は、以下のようなものです。
ビー玉が勢いよく転がる
どの部屋にビー玉を置いても同じ方向へ転がる
以上の2点が見られる場合は、専門家に詳しい検査を依頼しましょう。
水平器を使う
水平器とは、水を入れた管の水疱の位置で設置した場所が水平であるかどうかを測る機械です。
簡単なものならば、ホームセンターやインターネット通販サイトなどで1,000円前後で購入できます。
水平器を設置して、気泡が水平を示す位置に停止すれば傾きはありません。
水平器は、設置場所が垂直かどうか確認する「垂直器」がセットでついています。
家の傾きは床だけでなく壁に現れる場合もあります。
水平器を利用すれば、床と壁、両方の傾きが計測可能です。
スマホのアプリを使う
現在は、スマホのアプリでも家の傾きを測定できるものがあります。
スマホがあれば簡単に計測ができるので、「今すぐ家の傾きをチェックしたい」といった場合に便利です。
その一方で、スマホは測定できる範囲が狭いため正確な数値が出にくいデメリットもあります。
したがって、スマホのアプリの数値はあくまでも目安と考えましょう。
また、広い場所を測定する場合はほかの調べ方が適しています。
家の傾きの許容範囲はどこまで?
家に傾きがあったからといって、必ずしも欠陥とは限りません。
多くの土地は整地されても完全に水平になるとは限らず、その上に建っている家もまた、やや傾斜がある場合が大半です。
そのため、3/1000未満の勾配の傾斜は問題ないとされています。
人間は、5/1000程度で違和感を覚えるケースが多く、8/1000以上の傾斜で苦情が出るといわれています。
そのため、3/1000~6/1000の傾きがあれば原因の究明を急いだほうがいいでしょう。
3/1000以上の傾きがある家の場合、これから傾きが大きくなっていく可能性があります。
また、6/1000以上の傾きがある家は、購入を見送ったほうが賢明です。
家の傾きはどうして発生する?
最後に、家の傾きが発生する主な理由について解説します。
家が傾く理由がわかれば対策方法もとれるので、参考にしてください。
経年と共に地盤沈下が発生した
家が傾く原因の中で多いのが、地盤沈下です。
家が建っている土地の中には、軟弱なものもあります。
現在は建築基準法の改訂によって、地盤整備もよりしっかりとなされるようになりました。
しかし、築年数が経っている家の場合は地盤が現在の基準から見れば軟弱なところもあります。
地盤沈下が均等に起これば家は水平に沈みますが、そのような事例はほとんどありません。
ほとんどが一か所だけ深く沈み込むため家が傾きます。
シロアリが家の基礎を傷めた
日本の一戸建てはほとんどが木造のため、シロアリの被害に遭いやすい傾向です。
シロアリが家に巣を作ると、木材を食いあらしてボロボロにしてしまいます。
家の基礎が傷めば、傾きが出てきます。
シロアリは築年数の経った家のほうが被害に遭いやすい傾向ですが、新築の家でも被害が出る可能性もあります。
シロアリが家の中で発見されたら、基礎に巣くっている可能性が高いでしょう。
自然に死滅する可能性は低いので、すぐに対処が必要です。
施工不良の可能性
新築、もしくは築浅の物件で3/1000以上の傾きが発生した場合は施工不良が疑われます。
多くの場合、家は購入後も一定のアフターフォローが付いています。
家の傾きが確認できたら、すぐに家を建てた工務店や販売したハウスメーカーの担当者に連絡をしてください。
傾きの原因が施工不良であれば、建築会社や工務店の負担で修理してもらえます。
まとめ
家の傾きは心配のないものもあれば、今すぐ原因究明が必要なものまでさまざまです。
家が傾いているかもと不安になったら、今回ご紹介したような方法で確かめてみてください。
ただし、傾いているからといってすぐに修理が必要なわけではありません。
ほとんどの家にはわずかな傾きがあります。
3/1000以上傾いている場合には、専門家に詳しい検査の依頼を行ってください。
また、家を購入する場合は3/1000以上傾いている家の購入は避けた方がよいでしょう。