お役立ちコラム

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耐震リフォームは費用をかけても施工すべき?判断基準をチェック

住宅の耐震性能は年々向上しています。
既設住宅にお住まいの方は、改めて耐震リフォームするべきか悩む方もいるでしょう。
この記事では、耐震リフォームの必要性やその費用について解説します。

耐震リフォームは費用をかけても施工すべき?判断基準をチェック

建築されたのはいつか

近年、日本では大きな地震が各地で発生しています。
2016年は熊本県を中心に最大震度7を記録した熊本地震が起き、多くの建物が倒壊するなどの被害も発生しています。

この地震の際、被害が甚大だった益城町において、建設年代別に木造住宅の被害状況の統計が取られました。
対象となったのは1940棟の木造住宅で、1981年以前に建てられた住宅の内、約半数が倒壊や全壊、大破してしまい、被害がなかった建物はわずか5%に満たなかったそうです。
一方、1981年から2000年の間に建てられた住宅の場合は、倒壊や全壊、大破した建物は20%弱と減りましたが、何かしらかの被害に遭った住宅は約80%となったそうです。

2000年以降に建てられた住宅の場合は、倒壊や全壊、大破した建物は10%で、被害がなかった建物も50%を超えたそうです。
この1981年、2000年という年は、建築基準法が改正された年です。

大震災と耐震基準

建物の倒壊は建物自体の被害だけではなく、そこに住む人が被害を受ける心配があります。
そのため、1950年に建築基準法が制定された際に耐震基準が定められ、震度5以上の地震に耐えられる住宅づくりを求めたのです。
ですが、1978年に発生した最大震度5を記録した宮城県沖地震を受け、1981年に改正された建築基準法ではさらに高い耐震性が求められるようになりました。

また1998年に発生した阪神・淡路大震災を受け、木造住宅の耐震性向上(震度6強から7程度の揺れでも倒壊しないこと)が求められるようになっています。
大震災を経験するたびに、建物の耐震基準が引き上げられ、より耐震性能が高い住宅が建築されるようになりました。

耐震リフォームすべき住宅とは

耐震基準の改定により、近年の住宅は耐震性が高くなっています。
ですが、耐震基準改定前に建築された建物については、強い地震に耐えられない可能性があります。
それは熊本地震の益城町の被害状況を見れば一目瞭然です。

1981年以前に建築された住宅については、できれば耐震リフォームを施す方がよいといえます。

また1981年以降に建築された建物でも、すでに一度大きな災害に見舞われた経験を持つ住宅については、耐震補強を考えた方がよいでしょう。
一度地震被害を受けている場合、目に見えるトラブルがなくても、小さなダメージを受けている可能性があるためです。
接合部分が歪んでいたり、筋交いなどが損傷していたりすると耐震性が下がります。

耐震リフォームは何をするのか

耐震リフォームは大きく分けると「耐震」「免震」「制震」という3つの方法があります。

「耐震」というのは、揺れに耐える建物にリフォームする工法です。
筋交いを通したり、接合部分に耐震性能に優れた金物を設置したりする方法があります。
「免震」というのは、建物に揺れが伝わりにくくする工法です。
基礎と建物間に免振装置を設置します。
「制震」というのは、揺れを吸収する工法です。
ダンパーなど揺れを吸収できる装置を取り付けて、揺れを制御します。

どの工法も既存の壁などを取り払い、構造をあらわにした状態で施工することが多くなります。
そのため一度壁仕上げ材を撤去し、耐震補強措置を講じた後に、改めて壁を取り付け仕上げていきます。
耐震リフォームを部分的に実施すると、耐震構造がない部分に負荷がかかり、そこから倒壊する恐れがあるため、基本的には建物全体に耐震リフォームを施します。

耐震リフォームの費用

築年数40年以上で、1階の床面積が60~80平米の住宅なら、耐震リフォームには200万円程度かかります。
同じ床面積でも築年数20~29年なら130万円程度となりますし、築年数が19年以下なら100万円以下でも施工可能になります。

築年数が古い住宅ほど費用負担が大きくなるため、耐震リフォームは難しいと感じるかもしれません。
ですが耐震リフォームは人の命にも関わる工事となるため、多くの自治体がその工事費用を補助する「助成制度」を設けています。
費用負担が気になるようでしたら、助成制度をうまく活用するとよいでしょう。

耐震リフォームに関わる助成金の例

自治体が実施する助成金制度は、それぞれの自治体により違いがあります。
例えば、東京都千代田区であれば、区が耐震診断を実施し、1981年以前に建てられた住宅の場合には、100万円を上限として補助金が受けられます。

大阪府の場合は耐震診断に対して4万5千円、耐震補強設計の場合は1981年以前に建てられた建物の場合は上限が10万円です。
実際に耐震改修工事する場合、通常は40万円、所得が低い場合は60万円まで補助金が支給されます。
お住まいの地域でどのような補助制度があるかを確認しましょう。

税制優遇も受けられる

耐震リフォームを施し一定の条件を満たせば、所得税や固定資産税などについて減税されるなど、税制優遇措置が受けられる可能性があります。

まとめ

住宅が建てられた年代によっては、耐震リフォームを施す必要性があるでしょう。
とくに1981年以前に建てられた住宅については、費用をかけても耐震リフォーをムすることをおすすめします。

耐震リフォームには自治体から助成金が支給されたり、税制優遇が受けられたりすることもあります。
このような点もしっかりと説明してくれる業者を選ぶとよいですね。

当社でも耐震リフォームを取り扱っています。
最適なプランや助成金についても説明いたしますので、耐震リフォームをご検討の場合はご相談ください。

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