冬を迎え、適切に暖房を利用していても肌寒く感じる場合があります。
暖房機器の効率が悪いのか、買い替えた方がよいのかと悩む方もいるかもしれませんが、実は部屋や建物に原因があるのかもしれません。
暖かい部屋作りのための対策や、リフォーム方法をご紹介します。

暖房を使っても部屋が寒い4つの原因

暖房を適切に使っているのに寒さを感じる原因として、4つのことが考えられます。
まずは原因について解説していきましょう。

隙間から風が入り込んでいる

築年数が古い建物の場合、経年劣化により建物や建具に歪みが出ることがあります。
歪みが出ると、今までぴったりと合っていたドアや窓と壁の間に隙間が生まれます。
この隙間から室内の暖まった空気が逃げ出し、屋外の冷たい空気が侵入してしまうのです。
暖かい空気はどうしても冷えている場所に逃げ出してしまうため、なかなか部屋が暖まらないのです。

熱が部屋の上部に溜まっている

先ほど「暖かい空気は冷えている場所に逃げる」と説明しました。
さらに暖かい空気は高い場所に溜まり、冷たい空気は低い場所に溜まるという性質もあります。
そのため部屋の上の方は暖かいのに、足元が寒いという現象が起こります。
このような現象を「コールドドラフト現象」といいます。

建物自体が冷え切っている

鉄筋コンクリート造の建物では、一度建物自体が冷え切ってしまうと内部がなかなか暖まらないといわれます。
コンクリートが一度冷えてしまうと、暖まるまでに時間がかかるのが原因です。
そのため木造に比べると、鉄筋コンクリート造の建物は部屋が暖まるまでに時間がかかります。
特に日当たりが悪い場所にある場合は、暖房を使ってもなかなか暖まらないのです。

断熱性が低い

建物の壁や天井の内部に断熱材が含まれていないと、どんなに屋内の空気を暖めても、壁や窓を通じて熱が逃げ出してしまいます。
また熱が逃げるだけではなく、外の気温の影響を受けて冷えてしまいます。
このような建物は、夏場も冷房が効きにくいと感じているかもしれません。

DIYでできる簡単リフォーム方法

賃貸住宅や予算が少ない場合には、DIYで施工する簡単リフォームを試してみてください。
いくつかの方法をご紹介します。

断熱シートやカーテンを窓に設置する

窓ガラスは、屋外と屋内の熱を伝えてしまう原因の1つです。
窓ガラスに断熱シートを張り付けたり、断熱効果があるカーテンを設置したりすることで、窓からの冷気の侵入と暖かい空気が逃げ出すことを防ぎます。
断熱シートはホームセンターでも販売されています。
カーテンならサッシから熱が伝わることも防げます。

床を暖める暖房器具を活用する

床が寒い場合には、ホットカーペットや床暖房など床を暖める暖房器具を活用するとよいでしょう。
また、断熱マットなどを敷いてからホットカーペットを敷くと、床から上がってくる冷気が抑えられるのでより効果的です。

隙間を埋める

建具や窓、ドアなどに隙間がある場合には、隙間テープなどを貼り隙間を埋めてみましょう。
隙間テープは100円均一のお店でも購入できます。
隙間風をシャットアウトすることで、寒い風が入り込むことが防げます。

加湿器やサーキュレーターを活用する

乾燥すると冷えを感じやすいので、加湿器を活用して室内の湿度を高く保つと暖かくなります。
部屋の上に溜まった暖かい空気を下に、冷えた空気を上に循環させることでも足元の冷えが軽減します。
サーキュレーターを活用して室内の空気を循環させるとよいでしょう。
暖房器具としてエアコンを使用している場合は、風を下向きにするとよいですよ。

リフォームで暖かい部屋作りをする

DIYではできることに限りがあります。
本格的に暖かい部屋作りを目指すなら、思い切ってリフォームする方法もあります。

断熱性が高い窓ガラスを採用する

窓は風の出入り口であると同時に、熱の出入り口にもなります。
大きな窓であればあるほど、室外の気温に影響されやすいので、熱を伝えにくい窓ガラスに変えることで、窓から熱が伝わることが防げます。
「複層ガラスなどの断熱性が高いものに変える」「内窓を設置する」などが主なリフォーム方法となります。

歪みを直し隙間をなくす

隙間風が気になるときには、隙間の原因となる歪みを直すリフォーム方法があります。
どうして歪んでしまっているのかを、しっかりと診断してくれる工事業者に依頼することが必要です。
単純に新しい窓枠やドア、建具に交換するだけでは再び歪みが起こる危険があります。

断熱材を敷き詰める

床下や壁、天井などに断熱材が入っていない場合には、改めて断熱材を敷き詰めるリフォームがおすすめです。
断熱材が入っていても十分な量が充填されていない、断熱材が劣化していたというケースもあります。
断熱性能がよいものに交換することも可能です。

まとめ

暖房を使っても部屋が寒い場合には、部屋そのものが原因の可能性があります。
もし持ち家など長く暮らす住宅の場合なら、思い切ってリフォームを施し断熱性能を高める方法がおすすめです。
それぞれの暮らし方や住宅に合ったリフォームで改善するためにも、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。