お役立ちコラム

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サイディングへの釘の打ち方とは?釘を打つことのリスクと共に紹介

建物の外側は「外壁」と呼ばれます。
外壁の仕上げには、「湿式」である塗り壁やタイル張りと、「乾式」と呼ばれるサイディングがあります。

今回は、外壁をサイディングで仕上げる際、釘で固定することの是非について考えていきます。

サイディングへの釘の打ち方とは?釘を打つことのリスクと共に紹介

サイディングの特徴

サイディングは、板状に作られた外壁素材で、湿式で仕上げる外壁に比べて施工時間が短く、軽量で耐久性がある素材です。
板状に作られたサイディングボードを外壁に貼り付け、その継ぎ目をシーリング材でつないでいく工法で施工していきます。

デザインも豊富で、石積み調やレンガ調、タイル調など好みに応じたデザインが選べます。
サイディングは、大きく以下の4つの種類に分かれます。

・セメント質原料と繊維質原料を使い、養生・硬化させた「窯業系」
・天然木などに塗装を施し、表面を炭化処理した「木質系」
・塩化ビニル樹脂製の「樹脂系」
・成形した金属板と裏板材で構成された「金属系」

主流となっているのは「窯業系」で、全体の70%を占めているといわれています。

サイディングボードの取り付け方法

外壁にサイディングボードを取り付ける方法は、主に2つの工法があります。
1つは、従来の取り付け方といわれている「釘打ち」による工法です。
もう1つは、取り付け金具を使う「金具留め」による工法です。

この2つの工法の大きな違いは、サイディングボードに直接釘を打つか打たないかという点です。

釘打ちによる工法は、サイディングボードを外壁の下地部分に直接釘を打って固定する方法です。
そのため、サイディングボード自体にも穴を空けることになります。

金具留めによる工法は、金具を外壁の下地部分に釘などで取り付け、サイディングボードはこの金具に引っ掛けて設置します。
そのため、サイディングボードには穴が開きません。

釘打ちによるサイディング取り付けのメリット

金具を使用する「金具留め」によるサイディングボードの取り付けは、どうしても金具の分コストが高くなりますが「釘打ち」の場合は、コストが安く済みます。

また釘打ちで施工できるサイディングボードは、厚み14㎜のもので、サイディングボードの厚みとしては最も薄いものになります。
薄い分、サイディングボード自体も低価格で入手可能なので、釘打ちによるサイディングボードの取り付けは、コストが抑えられます。

釘打ちによるサイディング取り付けのデメリットとリスク

低コストで取り付けられる、釘打ちによるサイディングの取り付けですが、近年金具留めによるサイディング取り付けの方が増えています。
それは釘打ちによるサイディング取り付けには、デメリットやリスクがあるためです。

劣化しやすい

サイディングボードは耐久性がある材料ですが、直接釘を打つことでひび割れのリスクが出てきます。
また経年劣化が起こりやすく、地震の際には釘を打った部分からひび割れが起こったり、すでに起こっていたひび割れが広がったりする可能性があります。

固定されてしまう

釘で下地材にしっかりと固定するため、地震などが起こった際に力が分散されず、破損してしまう恐れがあります。

金具に引っ掛ける金具留めの場合、ある程度「逃げ」と呼ばれる余裕があります。
これにより力が分散され、破損する恐れが少ないのです。

またサイディングボード自体も、乾燥や気温の変化により伸縮する可能性があります。
固定されることで伸縮ができず、サイディングボードが反ってしまう可能性が出てきます。
反りが起こると、その隙間から雨水が入り込みやすくなります。
このとき、サイディングボードにひび割れが起こっていると、さらにひび割れが広がる恐れがあります。

防水性が低くなる

もともとサイディングボード自体に、防水性はあまりありません。
そのため、サイディングボードには防水性がある塗料を塗布し、防水性を高めています。
釘打ちした部分にも塗料が覆いかぶさることで、穴からの雨水の侵入は防げます。

ですが、塗料は経年劣化により、徐々にコーティング機能が衰えます。
その結果、釘を打ったときに空いた穴から雨水が浸入するリスクが高まります。

防水機能が損なわれる前に、小まめに再塗装する必要があるでしょう。
下手に初期コストを抑えると、逆にメンテナンスコストが上がるリスクがあります。

見た目を損なう

釘打ちによる取り付けは、釘の頭が見えてしまう可能性があります
遠くから見るとあまり気にならないかもしれませんが、近くで見ると釘の頭が並んでいる様子が見て取れます。

良いデザインのサイディングを選んでも、釘の頭が見えてしまうと見た目が損なわれてしまいます。

まとめ

初期コストが抑えられる釘打ちによるサイディング取り付けですが、長い目で見るとさまざまなリスクが存在します。
もし、この先外壁のリフォームなどを考えている場合には、釘打ちによるサイディング取り付けよりも、金具留めによる方法の方がおすすめです。

外壁のリフォームは、費用もかかるため、やり直しはなかなかできませんよね。
もし現在の外壁に不安がある、リフォームを検討している場合は、当社にご相談ください。
最適なプランを考え、ご提案させていただきます。

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